リボンの指輪
もしかしたら、今までも、頼に必要とされていたんじゃなくて、あたしが、必要としていたんじゃないかって。




そう思えてならない。




頼に必要とされることで、安心していたんじゃないかって。




頼だけは、何があっても、離れていかないって、根拠の無い自信があったから。




「馬鹿……」




勝手に離れるなんて、本当、今さらだ。




「あたし、馬鹿……」




何より、頼を邪険にしていたあたしが、馬鹿だった。




あたしは、そっと唇を触る。




ついこの前、頼にキスをされたばかりの、唇を。




まだ、熱かった。




感触が、リアルに残っていた。
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