リボンの指輪
頼、優希くん。




どっちつかずなあたしは、その日も、眠れなかった。




その夜、一度だけ、優希くんから、“おやすみメール”が届いた。




いつもと、何ら変わらない、何てことないメールだった。




「ちょっと陽菜!どういうこと!?」




教室へたどり着くと、香織があたしの肩を持って、ぶんぶんと揺さぶってきた。




その表情から、優希くんとのことだと、簡単に読み取れた。




「あたし、嫌だよ!あんたと松原が別れるなんて!」




「別にまだ、別れたわけじゃ……」




「まだってことは、別れるつもり!?」




「それも決めてないから!」




香織は、大きくため息をついた。
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