リボンの指輪
だけど、やっぱり答えは出てこないんだもん。




「……俺の事、好きだった?」




優希くんの寂しそうな声が、頭の上から降って来る。




「好きだったよ!!」




あたしは思わず、ぱっと顔をあげた。




優希くんは、静かに顔を伏せていた。




「好きでもない人となんて、付き合わないっ」




「……良かった」




一ヶ月で別れるなんて、あたし、最低だと思う。




「じゃ、俺、帰る」




「…うん」
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