リボンの指輪
今、あたしの言っていることは、めちゃくちゃだ。




でも、頼がどんな気持ちであの子と付き合ったとしても、あの子は、間違いなく本気の目の色をしていた。




「彼女、可愛そう」




「あれは別に本気じゃ…」




「嫌い!!」




「はぁ?」




「相手の気持ちも、考えなさいよ!どれだけ傷つけると思ってるの!?そこまで人の気持ちが分からない人だとは、思わなかったよ!」




頼の腕の中で必死の抵抗を見せるあたしを、頼はより強く、抱きしめた。




強く抱きしめられるほどに、あたしは強く抵抗をする。




「約束だったんだ」




頼の低い声が、あたしの耳元で聞こえる。




「お前を落とせるまでっていう、約束した」




「何、それ…」
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