リボンの指輪
付き合うと決めた。




だから、あたしはもう、頼を信じるしかない。




一度裏切られたとか、そんなの関係なく。




「昼休み、音楽室で待ってる」




「え、無理。あたし、香織と優希くんと食べるもん」




「あぁ?」




頼が明らかに不機嫌そうな声を出す。




「まだあいつと食ってんのかよ」




「ま、あれがあたし達にとって日常だから」




「今日から禁止な」




「はぁ!?」




優希くんと別れた今でも、あたしはしっかりと、優希くんに対して、“友情”を持っている。




もちろん、それは香織に対しても同じで。




だから、一緒にいれることは、嬉しいことなんだと思う。
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