リボンの指輪
それからしばらくは、好奇の視線から、抜け出すことが出来なかった。




あたしはさして、気になることもなかった。




けれど、一番怒ったのは、香織だった。




廊下をすれ違う好奇の目を見つけては、思い切り睨み返していた。




あたしの代わりに。




「ったく、あいつら、最低」




そんな香織が傍にいてくれることは、とても心強かった。




「誰を好きになろうが、陽菜の勝手じゃんね!!」




「……うん」




それに、その好奇の目は多分、大半は頼のせいで、後の少しは、“松原優希の元カノ”だということなのだろう。




あたし“ごとき”女が。
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