リボンの指輪
気にしない。




あたしのことを分かってくれる人が一人でもいるのなら。




あたしは、自分の信じた道を、進むだけだ。




それが、どれだけ道を踏み外しているような、間違った道でも。




「つまんないっ!!」




あたしは思わず叫んだ。




日曜日の午前。




目の前には、退屈そうに雑誌を眺めている、頼の姿。




「ね、頼、つまらない。何かしよ!!」




「何かって何を?」




「出かけよう!!」




「えー、だるい」




何ですか、これ。




付き合い始めて、まだ一週間と経たないのに。




幼馴染みからの成り上がりって、所詮こんなものですか。
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