リボンの指輪
「いーもん。あたし一人で出かけてくるっ」




昨日も、一日中家で、こんな感じだった。




まだ前のほうが、色々遊んでくれたような気がするんだけど。




これが、本当の頼の姿なのか。




「待てって。一人は危ない」




「え、スナイパー?」




あたしは思わず、わけの分からない言葉を、口走っていた。




だって、一人は危ないとか言うから、狙われてるのかと…。




案の定、頼も、ぽかんとした表情を浮かべていた。




「ってか、家帰る。何もしないなら、家で寝る」




「ここで寝れば?ベッド使えよ」




「やだ。頼のベッド、固すぎるんだもん」




あたしは、窓を開けて、自分の部屋に飛び移ろうと身を乗り出した。
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