リボンの指輪
嬉しくなって頼に言うと、完璧に、その嬉しさは、粉々にされた。




『断われよ、そんなん』




頼は、当然のように、そう言った。




『俺とあいつら、どっちが大事だよ』




そんなの、比べるほどのものでもない。




だって、どっちも大事だもん。




それでも、付き合い始めたばかりだからという思いで、あたしは仕方なく、香織達の予定を、泣く泣く断わった。




なのに、結果、これ。




香織達と遊んでた方が、楽しかったんじゃないか。




いや、楽しかったに決まってる。




「今から、香織達に合流して……」




「ありえない、駄目」




「じゃ、頼も来る?」
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