リボンの指輪
突然の出来事に、あたしは呆然と、頼を見上げる。




「起きろっつってんの」




「何で?」




「出かけたいんだろ」




「えっ……うん!!!!」




あたしは急いで、ベッドから降りる。




「来いよ」




頼はだるそうに、ゆっくりと歩いて行く。




あたしは頼の背中を追いかけながら、頼に気付かれないように、静かに笑った。




「どこ行くの?」




「どこだっていいだろ」
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