リボンの指輪
頼は教える気もなさそうだった。




それはそれで、何だかわくわくした。




「ねぇねぇ、電車乗る?歩き?」




「うるせぇ。黙ってろ」




「ねぇ、頼―――」




まるで、クリスマスプレゼントを開ける前のような気分だ。




リボンを、ゆっくりとほどいているような。




そんな気分。




「……ふふ」




「何だよ、気持ち悪い」




「気持ち悪いとか、失礼っ!!」




嬉しかったから、素直に笑っただけなのに。
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