リボンの指輪
一緒にいれることは、今のあたしにとってはすごいことだった。




これからも、こんな時が続けばいいのに。




香織がいて、優希くんがいて、頼がいて。




それが、最高だ。




「もうちょっとここで待ってろ」




「え……?」




「今何時?」




「四時だけど……」




「もう少し」




よく分からないけれど、頼が地面に座り込んだので、あたしも一緒になって座り込む。




一瞬、スカートでどう座ろうか迷った挙句、あたしはジャケットを下に敷くことにした。




「見ろ」




しばらくして、うとうとし始めたあたしの肩を小さく揺さぶって、頼の声が聞こえてきた。
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