リボンの指輪
香織が本気になると、本当にそうしかねないから怖い。




友達歴もまだ一年だけど、それくらいは分かる。




「シュークリームにカラシ入れて」




「……は?」




それが、頼のお見舞いの話をしているのだと気付くまでに、数秒かかった。




「ロシアンシュークリームしよ」




「あたしが殺される!!」




「あたしからの差し入れだって言って……」




「仮にも病人を……」




別に、シュークリームは中が見えているわけじゃないし、中身がたとえ、わさびであっても、食べるまでは気がつかないだろう。




でも、あの状態でカラシを口に頬張ったら、絶対死ぬ。




自信ある。
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