リボンの指輪
あたしが腕を組んで唸っていると、香織が呆れたようにため息をついた。




「欲がなさすぎるよね」




「あー、それは俺も思う」




優希くんまでが、納得したかのように、大きく頷く。




優希くんが頷いたら、何だか妙にリアルだ。




一応、あたし達は、“元恋人”という、関係にあるのだから。




「もっとわがまま言ってくれてもよかったかなー、なんて」




「ね!!」




“ね!!”とか、あたしに同意を促すかのように、香織がじっとあたしを見る。




「こ、これでもわがままにしてる方だと…」




「ちっがーう!!!!」
< 187 / 276 >

この作品をシェア

pagetop