リボンの指輪
「病人なのに学校に来たのは、頼じゃない」




「う…」




本当は、頼が家にいてくれたほうが、どれだけ都合がいいか。




優希くんも、さっき、頼を見て、驚いたのだろう。




目が、“放課後、本当に行く?”と語っていた。




そりゃ、もちろん行きますとも!




今日を逃したら、余計に行けなくなる。




「でも、何かあったら、メールしてね」




「おー」




「それくらいは、病人扱いしてあげましょ」




「上から目線かよ…」




ごほごほと、頼が咳をする。
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