リボンの指輪
あたしの中で、そのイメージは、“むらさき”だった。




「じゃあ、田村ってよく、何を使ってる?」




「よく?」




「うん、財布とか以外で。財布って、結構こだわりある奴いるから」




あー、もっと頼を見ておけばよかった。




そう、集中して、頼のことを見ることって、なかったから。




「あ、頼、寒がりだから、マフラーとか…?」




「マフラーだと、冬しか使ってもらえないけど?それか、田村のことだから、夏でも使い続けて、倒れるか」




優希くんが、想像したのか、おかしそうに笑いながら、あたしを見る。




あたしも、ありえる話すぎて、肩を震わせて笑う。




「分かったあぁぁぁぁぁ!!」




「おわ、何?」




あたしの大声に、優希くんは、驚いて、笑いを止める。
< 215 / 276 >

この作品をシェア

pagetop