リボンの指輪
あたしは、迷わずそのお店に入った。




「うわ…本当だ。頼の好きそうな帽子、たくさんある」




もしかしたら、頼もたまに、ここに来るのだろうか。




いや、それはないか。




だって、休日は、大体あたしと一緒にいたし。




「紫か……」




優希くんが、帽子を見ながら、“むらさき”を探し始める。




そこで、あたしの目に、ある帽子が止まった。




「あっ、優希くん、これ」




「これ?」




優希くんが、その帽子を手に取る。




「これ、すっごく頼っぽい」




ポップで“むらさき”が使ってあるんだけど、ちょっとロック調で、落ち着いた感じ。




「これにする?」




「うん!!」
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