リボンの指輪
「本当に本当に、ありがとう」




好きになってくれて。




一緒にいてくれて。




見捨てないでいてくれて。




「もうちょっとでクリスマスだなぁ…」




優希くんがふと、イルミネーションの輝く家々に目を向けて、小さく呟いた。




クリスマスの季節は、どうしてこうも、胸を切なく締め付けるんだろう。




毎年、そんなことを考える。




「…だね」




「俺んち、イルミネーションなんかしねぇ」




「うちもだよっ。親も、ちょっとくらい張り切って欲しいよね」




「だよな。俺んちなんて、シンプルすぎてつまんねぇ」




確かに、日本にとって、クリスマスっていうのは、“家族”じゃなくて、“恋人”の行事なのかもしれないけど。




それでも、家族にとっても、行事であって欲しい。
< 224 / 276 >

この作品をシェア

pagetop