リボンの指輪
「うちも。頼んちも」




「家でも、ちっとは楽しみが欲しいよな。って、外でもないけど」




思わず、謝りたくなる。




だって、優希くんの用事をなくしてしまったのは、間違いなくあたしだ。




あたしと付き合い続けていたら、用事はあったはずだもん。




このプレゼントだって、頼と、優希くんのために買いにきていたはずだ。




って、頼は多分嫌がって、来てくれないか。




「……みんなでクリパする?」




「ほあ?」




優希くんが、何の音ともつかない声を出した。




「だって、香織もつまらなさそうじゃん」




「ってか、お前は駄目だろ……」




「別にいいんじゃない?」




「田村が激怒するって。俺やだ。八つ当たりされるの」
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