リボンの指輪
それでも、本気で怒る気にはなれないのは、頼のことが好きだから。




「……嬉しそうだな」




「えっ?」




「顔、にやけてる」




「嘘!?」




「本当」




駄目だ。




あたしはどうやら、気持ちを隠せない性質らしい。




あたしは必死で、顔を元に戻そうと、筋肉を動かす。




「ま、それだけ好きっつうことだろ。安心する」




「安心?」




「ほら、これで泣いてばっかだったら、“別れたのは間違いだった”って思うじゃん」




「あ…」




そうだよ。




優希くんは、そういうところを気にする人だったんだよ。
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