リボンの指輪
果歩ちゃんが、つまらなさそうに言う。




「サボる?」




「こら」




社会人が、一体なんて発言をするんだ。




「そう言えば、聞いたわよー。よっくんと付き合ってるんだって?」




「え、誰から…って、頼しかいないよね」




「あたしの可愛い陽菜が…」




普通、弟のことを悲しむんじゃなくて?




それでも、果歩ちゃんは、歳が離れていることもあって、小さい頃から、あたしのことを可愛がってくれた。




あたしも果歩ちゃんが大好きで、後ろをついてまわった。




だって、年上だったし、やっぱり憧れるから。




あたしの見本はいつだって、果歩ちゃんだったんだよね。




でも、たまにそれで、失敗もした。




果歩ちゃんって、すごく男勝りで、することが滅茶苦茶だったから、痛い思いも、少なからずした。
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