リボンの指輪
「別にだけじゃ、分からないよ?」




「うざい」




う、ざ、い?




その言葉にかちんときて、あたしは立ち上がった。




せっかく人が、話をしようって態勢で話し掛けてるのに!




「分かった。うざいんだね」




それだけ言うと、あたしは教室から出た。




それは、クリスマスイブ、頼の誕生日から、たった3日前の、終業式の前日の、話。




何て、タイミングの悪い。




早く、頼の機嫌が直ってくれるのを、待つだけだ。




機嫌の悪い頼には、そうすることしか出来ないらしかった。




だって、あたしが話し掛けても、無視するか、うっとうしがるんだもん。
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