リボンの指輪
「喧嘩、したぁ!?」




香織が、大袈裟に口をあけて驚く。




「何か怒ってたから、放ってきた」




「……あんた、強くなったよね…」




確かに、この前無視された時は、悲しくて仕方がなかった。




でも、あれだって結局は、頼のわがままだったんだ。




「理由聞いたって、教えてくれないどころか、“うざい”って言うし」




振り回されっぱなしの、あたしじゃない。




「あたしの陽菜に“うざい”とは何事かぁ!!」




「わー、香織!!」




香織が、すごい剣幕で立ち上がる。




今にも、頼に決闘を申し込みに行ってしまいそうだ。




「いーの。しばらく放っておく」
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