リボンの指輪
それでも、“恋人”としてのクリスマスは、初めてだ。




少しくらいは、楽しみにしてたのにな。




気合いいれて、プレゼントまで買っちゃったりして。




「明日また、話し掛けてみるよ」




「このまま別れちゃえばいいのに…」




「はい?」




「…何でもっ」




香織が、小さくつまらなさそうに呟く。




「香織って、腹黒いよね、絶対…」




「んまっ、失礼ねっ!!」




これで本当に別れたら、きっと香織は、自分のことを責めるだろう。




そういう子だ。
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