リボンの指輪
この後どうなろうと、とりあえず、あの帽子だけは渡すつもりだけど。




それか、あの帽子がきっかけに、仲直りできればそれが一番だ。




そもそも、元からこれを、喧嘩というのかは、不明だ。




あたしは怒っていないし、理由も分からないわけだし。




「もう、あたしには何が何だか……」




「だから、あんな奴の言うこと、気にしなくていいのよ!」




「そんなこと言ってもさぁ…」




「全部わがままに決まってんだからっ」




香織がそう言うと、頼への私情が入っているようにしか、見えない。




「今までだって、十分振り回されてきたんだしっ、もう、解放されちゃおうよ!!」




「……それは無理」
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