リボンの指輪
確かに、解放されたら、楽にはなるのかもしれない。




それでも、あたしは、頼がいなくなった時のことを、想像出来ないから。




いなくなってしまったらきっと、あたしは壊れてしまう気がする。




中身が、空っぽになってしまう気がするの。




頼がいるから、きっと笑い続けていられるんだ。




「だってあたし、頼好きだもん」




どんなにわがままでも。




「こんなに陽菜に愛されて…悔しいです!!」




「……へいへい」




香織が顔芸をする。




せっかくの可愛い顔が、これじゃあ、まるで台無しだ。




「あたしのことも、もっと愛してぇ―――!」




「誰デスカ!?」




いきなり飛びついてきた香織をかわしながら、あたしは突っ込みをいれる。
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