リボンの指輪
「何も言い返せないの?」




「香織…あの、大丈夫だから。ね、頼、大丈夫だよ、ね!?」




「お?おー…?」




あたしは無理矢理、頼に頷かせる。




だってこうでもしないと、香織、絶対に納得しないもん。




「ほら、香織!!」




「それでも今日はお泊り会!してくれたら、許すっ」




「…いいけど」




香織は、まるで人が変わったかのように、にっこりと笑う。




結局、お泊り会したかっただけだったらしい。




「じゃ、田村、陽菜のこと、借りるからね」




そう言って、香織はあたしを引っ張りながら、すたすたと歩き始める。
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