リボンの指輪
まさか、頼の口から、そんな言葉が出るなんて。




「頼……かっこいいよ、それ!!」




だってそれって、“好きな人に気付いてもらえなきゃ、意味がない”っていうことでしょう?




あたしもそんな、大それたこと言ってみたい。




「分かった。あたし、ちゃんと頼のこと見守るね!!」




頼が、少し恥ずかしそうに、
枕に顔をうずめる。




「……陽菜の匂いがする」




枕の下から、くぐもった声が聞こえる。




「キャ―――!離れて!」




間接的にでも、匂いをしっかりとかがれるのは、恥ずかしいものがある。




匂いを気にしているわけじゃないけど、一応女の子だもん。




「やだー」




「頼の変態っ!やだやだっ」
< 45 / 276 >

この作品をシェア

pagetop