リボンの指輪
「陽菜……」




頼の声が、あたしの耳をすり抜けていく。




「ちょ、な、何……?」




こんな状況、冗談でしょ?




今までだって、何度もお互いの部屋を行き来してるけど、一度だってこんなことなかったじゃない。




「無防備すぎ」




頼が小さく口を動かす。




「そ、んなこと、言われたって…」




「襲われても、文句言えないよ」




「あ、あたしを襲う奴なんか、いないし……!」




「襲ってあげようか?」
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