リボンの指輪
それは、一瞬ではないような気がした。




何秒も、何分も、続いたキスだった。




時折口元から漏れる、頼の切なげな吐息が、あたしの頭を、どんどんと混乱させていくことに、頼は気がつかないのだろうか。




頭の中で、何かが崩れ落ちる、音がした。




何か、大切なものが。




そこに今まで変わらずにあった、宝箱が。




突然、消える音がした。




最初に壊したのは、頼の方だった。
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