リボンの指輪
槙さんと出逢ったのは、合コンなんてものだった。




あたしも槙さんもお互い、数合わせとして、無理矢理参加させられていた。




それで意気投合して、
今に至る。




それでも槙さんは、あたしのことを、
ほとんど知らないと思う。




そのまま、婚約してしまった。




もう一人になるのだけは、嫌だったから。




「結婚式、半年後でよかったの?」




槙さんが、前を見ながら言う。




「どういう意味?」




「ほら、陽菜、仕事もしてるんだし、もっと続けたかったら別に…。俺は、結婚とか、形にはこだわらないよ」




「いいの。もうそろそろ落ち着いて、やりたいことも見つけたい」




「そういうにはまだ若いだろ」
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