リボンの指輪
みんな、どこを見てるの?




あたしと頼は、昔からの、友達なんだよ。




「お待たせ」




「遅い」




音楽室に入ると、頼はすでに、待ちくたびれたように、座り込んでいた。




「香織と優希くんに引きとめられてて…」




「あいつ、何だって?」




「誰?」




「あの女」




香織があまりに突っかかってくるから、頼も、あまり好意は寄せていないらしい。




「行くなーってすごい顔で」




「だろうね」
< 71 / 276 >

この作品をシェア

pagetop