リボンの指輪
★第二章★

めちゃくちゃ、はちゃめちゃ

人を好きになること、複雑すぎる。




あたしにはちょっと、難しい。




論理でもない、説明もつかない。




「……」




あたしは、部屋のドアを開けて、ただ呆然とする。




「忘れ物」




頼は、何気なくあたしの部屋に入って来ると、ベッドの上に座った。




机の上に、あたしが忘れた弁当箱を置く。




「何それ……」




「何が」




「あたし、怒ってんだよ!?ねえ、分かってる!?」




あたしは、机の上から弁当箱をぱっと取ると、頼に投げつけた。




頼は器用に受け止めながら、あたしを真っ直ぐに見た。




思わず、身を引いてしまう。




「分かってるけど?」
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