リボンの指輪
静かにあたしを見つめる、頼の視線を、背中に感じる。




何を考えているんだろう。




「カラオケ行く?」




「行く!!」




優希くんとカラオケなんて、初めて!




「陽菜って、いつも楽しそうで、こっちも楽しい」




優希くんが、ふっと笑いながら言う。




……今は、大して楽しくはないんですけど。




「カラオケ終わったら、うち来て」




頼が、ぽつりとこぼす。




「やだ」




「……分かった」




あまりの引きのよさに、逆にあたしが、驚いてしまう。
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