リボンの指輪
家に帰っても、落ち着かなかった。




頼のことばかり、考えてしまう。




つい昨日、“好き”だと言われたばかりなのに、今日はもう、頼はあたしのことなんか、気にならないようだった。




あれは、一時の気の迷いだろうか。




そのせいで、あたしはキスをされたのか。




「頼……」




分からない。




考えても、分からなかった。




頼の部屋を、ちらっと見ると、まだ電気は消えていて、頼が外出中なのを、知らせていた。




おそらく、女の子達と、まだカラオケで盛り上がっているのだろう。
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