リボンの指輪
何分くらい経っただろうか。




しばらくして、頼と誰かの、話し声が聞こえてきた。




女の子の声だった。




あたしは思わず、ベッドから身を起こして、窓からその様子を見る。




「……ふーん」




それしか、言えなかった。




頼の前にいたのは、明らかに頼を好きそうな、可愛らしい女の子だった。




あたしとは、まるで正反対のタイプだ。




「……え」




あたしは、その瞬間、信じられない光景を、目の当たりにした。




頼が、その子に、キスをした。




もちろん、唇に、だ。
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