リボンの指輪
翌朝。



あたしは、寝不足でクマの出来た目をこすりながら、家を出た。




あのあと、あたしは何もすることが出来ず、ベッドにもぐりこんだ。




何をする気にもならなかった。




馬鹿馬鹿しくて、笑ってしまった。




頼の言葉を、鵜呑みにした自分を。




女遊びが激しいって言われている人の、“キスしたことがない”という発言を、どうして信じたのだろうか。




それは、あたしにとって頼は、“女遊びが激しい人”ではなく、“幼馴染みの頼”だったからだ。




「おはよう、優希くん!」




もう、本当に知らない。
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