リボンの指輪
学校に行く気にもなれなかった。




学校へ行っても、楽しい気分になれるわけがないのは、分かっている。




何しろ、頼がいるのだ。




「気をつけて帰れよ」




「ごめんね」




「謝るなよ。今日、放課後部活終わったら、行くから」




「ありがとう……」




あたしは、今来た道を、引き返し始めた。




結局、頼がいなきゃ、こんなに心細くなる。




今まで、気がつかなかった。
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