親友の君は
その子は、隣のクラスにいる柚木沙織(ゆずきさおり)という子だった。幼稚園の年長から小学校もずっと同じクラスで、とっても仲がよかった子。葉月に続く親友と言える子でもある。

でも、中学に入って一度も同じクラスになることもなく、交流は最近無い。


「沙織・・・・・?」

「久しぶりっ!咲羅っ!」


沙織は元気に手を挙げてそう言った。


「どうして?」

「んー?咲羅は何処にいるかって誰かに聞いたら、教室にいるって言ったから!最近、ぜーんぜん話してないから、会いにいこっかなーって思って!何?邪魔だった?」

「うんうん、全然、どっちかって言うと・・・・・ヒマ」

「よかったっ!」

そういって沙織は私の隣に置いてあるイスに座ってこっちを向いた。


「・・・・・ねぇ?今日は話すことあって来たんだけど」

さっきとは違った申告な顔で沙織は私に聞いてきた。

「?」


「咲羅って・・・・・いじめられてるらしいわね」


「!!!!」


まさか、他のクラスまで広がっているとは・・・

「う・・・うん」

「どーして今まで何も言わなかったのっ!?私、それ聞いたとき、本当にビックリしたんだから!!!」

真剣で怒鳴るように沙織は言ってくる。

・・・・言えるわけないじゃない。先生にも、しかも親にまで言ってないんだから。それに、・・・・・もうだれにも助けてなんて言わない。そう決めたんだから。



< 13 / 23 >

この作品をシェア

pagetop