雪の日の約束《短編》
僕は走って傘を取り戻してくると、ユキナに差し出した。
「ほら。ちゃんと持ってろよ」
「うん。ありがと」
傘を渡す時にユキナの冷たい手が触れて、一瞬ドキリとした。
「それにしても、なんでこんな傘持ってるの?赤い傘なんて小学生かと思ったよ。…っていうか、これ子供用の傘じゃない?」
「…いいでしょ、別に。」
ユキナは少しの間をあけてから、そう答えた。
その顔はちょっとだけ…怒っているようにも見えた。
そんなユキナを見ながら、僕はさっき感じた胸のつっかえが、またゴソゴソ動くのを感じていた。
「お前…頭に雪が積もってる」
ユキナの頭から雪を払い落とすと、ユキナはクスクスと笑った。
「お前…だって。子供の時はユキナちゃんって呼んでたくせに。急に大人ぶっちゃって」
「うっうるさいよ!大人ぶってるんじゃなくて、大人なんだよ!」
「はいはい。セイちゃんが私をお前って呼ぶようになったのって、いつからだったかな」
ユキナは傘をクルクル回しながら、ぽつりと呟いた。
「ほら。ちゃんと持ってろよ」
「うん。ありがと」
傘を渡す時にユキナの冷たい手が触れて、一瞬ドキリとした。
「それにしても、なんでこんな傘持ってるの?赤い傘なんて小学生かと思ったよ。…っていうか、これ子供用の傘じゃない?」
「…いいでしょ、別に。」
ユキナは少しの間をあけてから、そう答えた。
その顔はちょっとだけ…怒っているようにも見えた。
そんなユキナを見ながら、僕はさっき感じた胸のつっかえが、またゴソゴソ動くのを感じていた。
「お前…頭に雪が積もってる」
ユキナの頭から雪を払い落とすと、ユキナはクスクスと笑った。
「お前…だって。子供の時はユキナちゃんって呼んでたくせに。急に大人ぶっちゃって」
「うっうるさいよ!大人ぶってるんじゃなくて、大人なんだよ!」
「はいはい。セイちゃんが私をお前って呼ぶようになったのって、いつからだったかな」
ユキナは傘をクルクル回しながら、ぽつりと呟いた。