雪の日の約束《短編》
「そりゃそうか…はは…」


「セイちゃんってば、変なの」


目の前で笑うユキナは、五年前よりもキレイになっていた。


だけど…。


笑う時に下がる目尻とか、肩をちょっとすくめるところとか…。


僕を…「セイちゃん」って呼ぶところとか…。


やっぱりユキナはあの頃と同じだった。




「やっぱり、これ返すよ」


僕が傘を差し出すと、ユキナは戸惑った瞳を僕に向けた。


「これは、ユキナのお気に入りだろう?」


「えっ…セイちゃん?」

< 19 / 23 >

この作品をシェア

pagetop