雪の日の約束《短編》
この場所で育った僕とユキナは、別々の高校に行っても、時々暇を見つけては一緒に過ごしていた。


付き合っているわけではなかった。


『幼なじみ』


それが僕達の間柄で、それ以上でもそれ以下でもない。



だけど…。


五年前。


高校卒業と同時に、ユキナがこの街を出て行くと聞いた時、僕の頭の中はぐちゃぐちゃになって…。


ユキナが好きなんだって気付いた。


気持ちを伝えようとして書いた手紙は…結局渡せずに、ポケットの中で紙屑になった。



それなのに。


どうして戻ってきたの?

< 5 / 23 >

この作品をシェア

pagetop