雪の日の約束《短編》
「もういいや、セイちゃんで。お前さ…いつ来たの?」


「ついさっき駅に着いたの」


「ふうん…。今からどこに行くの?」


「…決めてない。」


「え?」


「決めてないの。いつまでいるかも決めてない」


僕はポカンと口を開けた。


「決めてないってお前…。そんなのあり?」


「いいじゃん、別に。仕事は休みだし。」



いいじゃんって…。


ユキナの奴、どこに泊まる気なんだ?


もう暗いのに。


そして…。


ユキナの家は、もうこの街にないのに。

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