上手なフラれ方
なぜか、理沙のことばかり考えてしまう自分がいた。

北村麗華に告白しようと決め、会う約束までしたにも関わらずだ。

理沙は「別れよう」と言った直後走って会場を出て行った。

その顔は怒っているようでもあり泣いているようでもあった。


僕は頭を振って、理沙のことを忘れようとした。

だけど、うまくいかなかった。

これが後悔なのかはわからない。

わかっているのは彼女にフラれてしまった以上、僕にはどうしようもないということだった。


僕は無視することでフラれようとした。

作戦通りとはいかなかったものの結果的にはフラれことができた。

後悔など、してはいけない。
< 23 / 39 >

この作品をシェア

pagetop