君がいるから
三限目が終わり、休憩時間

あたしはなぜかあの表情の
響夜くんが気になり
里沙にお願いして保健室に
ついて来てもらうことに・・


保健室―・・

入ると誰もいない

あたしは奥のベッドの
カーテンを開けた

そこにはスースー寝息を
たてて寝ている響夜くん
の姿があった

なんだ・・あの淋しげな
表情は気のせいだったんだ

そう思った瞬間
響夜くんは目を覚ました

『何でお前がここにいんだよ』

「あ、起こしてごめん;」

『そんなこと聞きてぇん
じゃないんだけど』

「えと・・;「つまりぃ
那津はあんたと同じ学校で
同じクラスな訳!
んで澪夜くんの弟だから
気になってついて来た!
ね?そうよね那津!」

「う・うん;」

横から口を挟んだのは
それまで黙って聞いていた
里沙だった

本当は弟だから気になった
んじゃなくてあの表情が
気になったから来たんだけど;

『・・まだ兄貴が好きか?』

それまで勢いよかった口調が
急に静かになった

「へ・・?す・好きかも」

何でそんなこといきなり
聞くんだろうと思いつつ
遠慮がちに答えた


すると、響夜くんは
静かに口を開いた―・・
< 6 / 14 >

この作品をシェア

pagetop