君がいるから
『兄貴、新学期始まる
前日倒れたんだ・・』

「え・・?」

あたしは一瞬頭が
真っ白になった
受け止めるのに
時間が必要だった

里沙は物事を察したのか
そっと保健室から
出て行った
里沙なりの気遣いだった

新学期始まる前日・・
あたしと澪夜が別れた日

『今市内の病院に
入院してる』

「・・・」

『もう・・長くはないんだと』

「そんな・・!?」

『気付いてやれなかった
俺が悪い・・』

「そんなことない!
あたしが気付いてあげて
いたらこんなこと・・っ」

澪夜、今まで全然そんな
そぶり見せなかった・・
何も言ってくれなかった・・

どうして澪夜は何もかも
教えてくれなかったの!?

一番近くにいたはずの
響夜くんにもあたしにも


響夜くんはあまり睡眠も
食事も取らず付きっきりで
看病したため寝坊し、
新学期当日から遅刻
したことを話してくれた


響夜くんの兄思いの優しい
一面と澪夜が倒れた
という事実にあたしは
胸が張り裂けそうになった
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