君がいた部屋~二階階段前倉庫~
あたしは家に帰ると夕飯の支度をした。
今日はご飯を作る気にもならなかった。
だから、支度っていっても、お湯を沸かすだけのカップラーメンにした。
すると、玄関のドアが開いた。
一馬だった。
あたしは驚いた。
一馬は今日遅くなるって言っていたはずなのに。
一馬はあたしを見ると口を開く。
ただいま、なんて可愛らしい事は言わない。
「とっとと酒だせ!!!」
あたしは言われるがままに日本酒をだす。
「今日は遅くなるんじゃなかったの?」
「店の女が色気のないカスだったから帰ってきた。」
「そう。」
あたしはそれだけ聞くと後は何も喋らなかった。
そんなの事で帰ってくるなんて、迷惑もいいところだ。
「美羽、酒たんねぇぞ!」
そう言って一馬はあたしを殴った。