君がいた部屋~二階階段前倉庫~


あたしは家に帰ると夕飯の支度をした。


今日はご飯を作る気にもならなかった。


だから、支度っていっても、お湯を沸かすだけのカップラーメンにした。


すると、玄関のドアが開いた。


一馬だった。


あたしは驚いた。


一馬は今日遅くなるって言っていたはずなのに。


一馬はあたしを見ると口を開く。


ただいま、なんて可愛らしい事は言わない。


「とっとと酒だせ!!!」


あたしは言われるがままに日本酒をだす。


「今日は遅くなるんじゃなかったの?」


「店の女が色気のないカスだったから帰ってきた。」


「そう。」


あたしはそれだけ聞くと後は何も喋らなかった。


そんなの事で帰ってくるなんて、迷惑もいいところだ。


「美羽、酒たんねぇぞ!」


そう言って一馬はあたしを殴った。


< 103 / 231 >

この作品をシェア

pagetop