君がいた部屋~二階階段前倉庫~


でも美羽、冷静に考えよ。


竜は秋本先生の元カレ。


竜は幽霊。


それなのに…


好きになっちゃダメだよ。


辛いだけだよ?


あたし達は静止画のようにその状態を保った。


竜の真っ直ぐな目があたしを見る。


あたしも反らさない。


反らしたら負けな気がした。


今目を反らすって事は、竜が好きって認めてしまう事のような気がした。


だけど…


もう限界だよ…


あたしは視界から竜を離す。


あたしは左斜め下を見つめる。


手首が視界に入る事が苦しかった。


あたしは一瞬目を瞑る。


そして…


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