君がいた部屋~二階階段前倉庫~
あたしは涙を流した。
いじめが辛いからじゃない。
竜が優しかったから。
竜があたしのこと抱き締めてくれたから。
嬉しかったから。
「結局泣くんだな。」
「…ご免。」
「謝る事じゃねぇよ。泣きたかったら泣け。外じゃ泣けねぇだろ?」
あたしは笑顔で頷いた。
教室や家では泣けない。
あたしが泣いていいのはここだけ。
あたしは弱いけど
ここしか泣く場所を持っていないんだ。
あたしは幸せだ。
竜…
ありがとう…
幸せくれて、ありがとう。
そうやって、あたしの穏やかな1日は過ぎていった。