君がいた部屋~二階階段前倉庫~


「あの、あたしにようがあるんですか?」


「用?んなもんないけど?」


「じゃあ何であたしに声かけてくれたんですか?」


「何でだろう?」


「何でだろうって。」


「多分、ただの興味かな。」


「それは、あたしもリスカしてるって知ったからですよね?」


「まぁそんな感じかな。俺もよく分からないけど。」


そう言って彼は曖昧な笑みを浮かべた。


何故かこの人は良い人だと思った。


心を開いても良いかもしれない、と。


「今日さ、放課後会えない?」


「え?」


「君と友達になりたい。あくまで友達ね。」


「大丈夫ですけど。」


「あ、そうか。君虐められてるんだよな?そんな簡単に何処ででも会えないか。」


「はい…」


「そんな敬語使わなくてもいいよ。同じ学年だし。」


「そうなんですか?」


「だからいいって。俺2-F。三神さんは2-Cだっけ?」


「うん。」


「じゃあ、もしいけたら5時に…学校の前のマンションの屋上来て。」


「勝手にあんな所入って大丈夫なの?」


「大丈夫。俺ん家だから。」


「なるほど。」


「じゃあそういう事で。」


そう言ってあたし達は一旦別れた。


< 119 / 231 >

この作品をシェア

pagetop