君がいた部屋~二階階段前倉庫~
「あの、あたしにようがあるんですか?」
「用?んなもんないけど?」
「じゃあ何であたしに声かけてくれたんですか?」
「何でだろう?」
「何でだろうって。」
「多分、ただの興味かな。」
「それは、あたしもリスカしてるって知ったからですよね?」
「まぁそんな感じかな。俺もよく分からないけど。」
そう言って彼は曖昧な笑みを浮かべた。
何故かこの人は良い人だと思った。
心を開いても良いかもしれない、と。
「今日さ、放課後会えない?」
「え?」
「君と友達になりたい。あくまで友達ね。」
「大丈夫ですけど。」
「あ、そうか。君虐められてるんだよな?そんな簡単に何処ででも会えないか。」
「はい…」
「そんな敬語使わなくてもいいよ。同じ学年だし。」
「そうなんですか?」
「だからいいって。俺2-F。三神さんは2-Cだっけ?」
「うん。」
「じゃあ、もしいけたら5時に…学校の前のマンションの屋上来て。」
「勝手にあんな所入って大丈夫なの?」
「大丈夫。俺ん家だから。」
「なるほど。」
「じゃあそういう事で。」
そう言ってあたし達は一旦別れた。